日本で一番有名な観光スポットは、と問われれば京都が誇る一大観光スポット、伏見稲荷の名前があがるだろう。筆者は数年前に一度、伏見稲荷に行ったきりで、おぼろげながら鳥居が連なる階段を登って、山頂を目指すという曖昧な記憶しかなかった。
夏の暑さにより、うまく眠ることができず、燻されるような熱気に起こされてしまった休日。倦怠感を払拭するために、心機一転、夏らしいスポットに行こうと決めた。そこで、真っ先に念頭に上がったのが、伏見稲荷である。
自宅がある今出川から徒歩、約3時間ほどで到着。よく分からない小川やアットホームな寂れた商店街を適度に楽しみつつ、伏見稲荷に辿り着いたときには、ほとほと疲れはてていた。
活を入れるために、ビールを少量たしなめつつ、入り口の大きな鳥居をくぐり、重軽石のところまでたどり着く。トイレの前の喫煙所で一服中、ふと脇を見ると道が伸びていることに気づいた。前を見ると、鳥居のトンネルを数多の観光客が行きかっていて、何だか見ているだけで騒がしい。吸殻を灰皿に捨て、脇道から進んで行くことにした。
滝ラッシュだった。脇道は、凄い滝ばっかり見ることになる。後、ハチが怖い。ぶんぶん飛んでる。あんまり、脇道に入り過ぎると、巣があるから要注意だぞ。
幾つか神社の中の一角に滝が流れており、特に鳴滝神社は湿度と薄暗さが他の箇所より高く、「siren」のような雰囲気でオススメ。伏見稲荷のなかで一番神秘的なスポットだと個人的に思っている。
大岩神社も、荘厳な雰囲気を感じれるお気に入りスポットで、伏見稲荷には鳥居以外にも見所があることが分かった。また、この脇道から山を登って行くルートだと、階段の方のルートよりも、「森」感が強い。山育ちのムカデやゴキブリに沢山こんにちわすることができ、逞しい野良猫と挨拶を交わし、河原町の町並みを完全に忘れ、自分が田舎にいるんだということを実感できる。
どのルートも山頂で行き会うので行きは山道を通り、帰りは鳥居を潜って下山すると一番楽しめると思われる。
また、伏見稲荷山中の売店は、そもそも16時頃には全部閉まっているうえに、自動販売機ではペットボトル飲料の値段が200円を超えるから、飲み物は事前に買っていった方がいいぞ。
山中には、トイレや喫煙所がこまめにあるので、それはご安心を。
日焼け対策もしっかりと。筆者は、この記事を書いている今、腕が痛くて仕方が無い。